子育てをするすべてのズボラママへ贈る
キラキラしてない日常系リアルママメディア

子育てがつらくなったら見る記事 今、悩んでいるママへ
サムネイル
2021.03.05
体験談プレママ

ビビりな私が出産できた理由 無痛分娩で出産しました(1)

ママライター豆岡ショカです。みなさん、出産に対してどんなイメージをお持ちですか?

「痛くて怖そう!」

「鼻の穴からスイカがでるくらいの痛みらしい」

「そんなの耐えられる自信ないかも……」

そんなネガティブなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

私は5年前、息子を無痛分娩にて出産しましたが、本当に痛みがない穏やかな出産ができました。この連載では私の無痛分娩体験について3回に分けお話ししようと思います。

  1. 出産準備 ←今回
  2. 出産当日(麻酔注入〜分娩直前)
  3. 出産当日(分娩〜出産後)

無痛分娩とは?メリット/デメリット

出産方法は主に二つあります。

  • 普通分娩
  • 帝王切開

これから紹介する無痛分娩は、「普通分娩時に麻酔を利用した出産方法」です。

無痛分娩について

お産の痛みは、子宮収縮による子宮の痛みと、膣や外陰部・肛門周囲が赤ちゃんの頭によって押し広げられる時の痛みに分かれます。この痛みを和らげるお産が無痛分娩です。以前は麻酔薬の筋肉注射や、麻酔ガスを吸ったりする方法が行われていましたが、現在は腰に硬膜外カテーテルを挿入し、そこから麻酔薬を注入。下半身の痛みをとる硬膜外麻酔による分娩が最も一般的です。

やはたウィメンズクリニック 無痛分娩について

無痛分娩のメリット

無痛分娩のメリットは陣痛の痛みを抑え、できる限りリラックスしたお産ができることです。お産による疲労が少なく、回復が早くなることも期待できます。人によって痛みの感じ方は様々ですが、お産の痛みを100%無くせるわけではなく、あくまでも痛みをより少なくする出産方法です。

無痛分娩のデメリット

デメリットは硬膜外麻酔による合併症や、麻酔薬の影響により陣痛が弱くなり分娩の進行に時間がかかること、発熱や血圧低下などがあげられます。

日本麻酔産科学会」で検索すると、詳しい解説が載っているのでぜひ見てみてください。また、無痛分娩が可能かは病院の方針によって異なりますので、早めに各病院に相談しましょう。

私は無痛分娩を知ってから「産むなら絶対この方法で産みたい!」と思い、自分なりにいろいろ調べていきました。

妊娠初期:無痛分娩ができる病院を探す

元々痛みに弱い私は、妊娠前から無痛分娩で出産を考えていましたが、無痛分娩の知識はネットで検索しただけ。周りに経験した人はいませんでした。

痛くないとお産じゃない?

本当に痛くないのか、そもそもどんな人が対象で自分も可能なのか。無痛分娩はどのようにするのかわかりません。ネットで調べていても漠然とした不安と、無痛分娩は安全なのか心配な気持ちがありました。

それに、日本には”お産は痛みを伴わないとお産ではない”という古い考えがまだまだあります。周囲からもなんとなく無痛分娩はずるい方法ではないかという考えが伝わってきて、無痛分娩について周囲に話すことも簡単ではなかったです。

でも、できるだけ痛いのは避けたい!!

何とか痛いお産を避けたい一心で、自分なりに情報収集を始めました。しかし周りに経験者はいないので、ネットの口コミが主な情報源。当時のネットの口コミは東京の病院の話が多く、地方の私にはネットの情報があまり参考にならなかったのです。

無痛分娩のやり方や、無痛分娩で出産をした人の感想は見れても、どこの病院で無痛分娩ができるのか、どこの病院が評判がいいのかわかりませんでした。

麻酔科医が常勤している病院を探す

そんな中「無痛分娩関係学会や日本産科麻酔学会などに所属している病院は麻酔科医が常勤している」という情報だけは何度も見かけました。そこで、試しに検索をしたところ、家の近くに条件を満たしている病院を発見!

ここなら私がやりたい無痛分娩を可能にしてくれる! 遠くにに行かないと実現しないと思っていた無痛分娩が、自宅の近くでできる! 

まだ出産できるかもわからないのに、出産にとても前向きな気持ちになり、初診の予約を入れました(※)

今思えば家の近くで無痛分娩ができたことはとてもラッキーなことでした。

なぜなら私は出産後、産後うつになり大変な時期を過ごすことになります。もし遠くの病院を選んでいたら、産後の生活はもっと大変で過酷だったでしょう。

※現在はJALA 無痛分娩関係学会・団体関連協議会の全国無痛分娩施設検索で検索可能です。

妊娠中期:バースプランとは

最初の診察で「妊娠してるね。おめでとう!」と先生に言われたあと、ドキドキしながら無分娩がしたいと先生に伝えたら、わかったとあっさり流されました。

え……? 私の熱意がまったく伝わってないように見える先生の反応。そのあと何回検診を受けても、私とお腹の子どもは順調だけど無痛分娩の話はさっぱり進みません。

そのうち悪阻が酷くなり、病院で薬を処方してもらいながら、ギリギリの状態で仕事に行く日々が続きました。そこでも無痛分娩の話は一切出てきません。悪阻が終わり元気になっても、無痛分娩の話になることはありませんでした。

バースプランで希望をしっかり伝えよう

妊娠24週から26週あたりの検診時に、助産師さんからバースプランについてヒアリングがありました。

バースプランとは
バースプランとは自分なりのお産ができるように、妊婦さんご本人とご家族が相談して出産に関する計画を立てることです。(妊娠~出産~産後も含みます)みんなでお産と向き合うことができます。

独立行政法人国立病院機構 埼玉病院 バースプラン

要は「どんな出産がしたいのか具体的な希望を病院に伝えて、妊婦さんの理想のお産に近づけるようにみんなで協力しましょう」というのがバースプランです。ただ、初産の私は耳慣れない”バースプラン”という単語にピンときておらず、具体的にと言われましても何ができるのかもよくわかりません…… と思っていました。

初産婦にバースプランのイメージはむずかしい

バースプランを提出した後日、助産師さんに本当にこの内容で大丈夫かと聞かれます。

提出したバースプランには

  • 無痛分娩がしたい
  • 怒らないで優しくしてほしい
  • 夫に立ち会い出産してほしい

と3つ書いたのですが、きっと他の妊婦さんより要望が少なすぎて、心配した助産師さんが確認をしてくれたのでしょう。

例えば「部屋は暗くして欲しい」「この音楽を流して欲しい」「この匂いのアロマを炊いて欲しい」「なるべく座った状態でいたい」「へその緒は夫に切ってほしい」など可能だったようです。

それもわかっておらず、説明をされても未経験の出産がどんなものか想像できません。とにかく絶対に無痛分娩がしたい、と話して私のバースプランは確定しました。

妊娠後期:説明会参加、骨盤のレントゲン撮影

バースプランで無痛分娩について伝えることができましたが、あいかわらず先生から無痛分娩について何も言われません。せっかく見つけた病院なのに、本当に無痛分娩ができるのかと疑問に思いながら通院していました。

妊娠30週にさしかかるころ、助産師さんから無痛分娩希望者向けの院内説明会を案内され、予約。これで無痛分娩に一歩近づける!当日までウキウキした気持ちで過ごしました。

無痛分娩の説明会に参加

説明会には10組ぐらいの夫婦が参加されていました。

先生自らが無痛分娩や麻酔のメリットとデメリット、実際にどういう施術なのかを写真を見せながら説明してくれます。あとから知ったのですが、先生は産科医でもあり麻酔科医でもあるため無痛分娩のすべての処置をひとりでおこなうことが可能だったのです。

その時説明があったのは以下の通り。

  • 無痛分娩を希望するなら夫(家族)の同意が必要
  • 血液が固まりにくい病気の人、そういった薬を服用している人、背骨の変形を伴う病気ががある人は硬膜外麻酔ができないので無痛分娩できない
  • 麻酔薬アレルギーがある人は無痛分娩できない

事前にネットで調べた情報とほぼ一緒だったので問題はありません。説明会では費用の説明もあり、無痛分娩は「普通分娩+10万円」と言われました。費用は病院のサイトで確認しており、夫婦間で合意済み。

むしろ10万円で痛くない出産ができるのなら安いもんです。無痛分娩への決意も新たに同意書にサインして病院に提出しました。

骨盤のレントゲン撮影

妊娠36週になり、骨盤のレントゲンを撮ると言われました。私の病院では初産の妊婦さんは骨盤のレントゲンを撮るようで、これが無痛分娩をするためにも重要になります。

レントゲンで骨盤の形をみて、経膣分娩が困難と判断されると帝王切開が必要となり、無痛分娩は諦めなくてはなりません。身長の低い妊婦さんが対象になりやすいようで、身長153cmの私も可能性があったようでした。

レントゲン撮影の結果、私の場合は経膣分娩で大丈夫と判断され、ここでやっと先生から無痛分娩をするかどうか確認されました。

ここまでずっと「無痛分娩できるの?できないの?どっちなの?」と不安でいっぱいだったので、やっと無痛分娩が話題に上がりとてもうれしかったのを覚えています。

計画無痛分娩は出産日が選べる

そしてここから出産日決定まで急に動き出します。一緒に検診に来ていた夫と私は骨盤のレントゲン撮影を終えたあと診察室に呼ばれました。「今週のここと来週のこことここ、どっちがいい?」とカレンダーを見せられました。

えええええええ?!

それは出産日のことを話してますか?

今週もう産んじゃうんですか?!

混乱する夫婦に対して先生は、自分の不在時に陣痛が来ると無痛分娩ができないため、計画的に無痛分娩をすると説明します。もう少し先だと思っていた出産がいきなり目の前にドーンと現れ、さらに子供の誕生日が私たちに託されました。

しかも、今すぐ決めなければいけないプレッシャー。診察室で動揺を隠せない私たちはいったん帰宅して決めたいと先生に相談します。先生からは可能だが、希望日に先約が入ってしまうかもしれないこと、その前に陣痛がきたら無痛分娩はできない、という説明を受けました。そうは言っても、今すぐ決められないので承知するしかありません。

子どもの生まれる日を急には決められなかった私たちは、家に帰ってからあーでもない、こーでもないとさんざん話し合いました。そしてすぐに病院に電話して、出産日を妊娠38週目に決定。

その後は、出産日当日までは特別にやることもなく、普通分娩の妊婦さんと同じ入院準備をしながら産前休暇を満喫し、出産当日を迎えました。

※無痛分娩の効果には個人差があります。
※本記事の内容は個人の見解であります。必ずしもすべての状況に当てはまるとは限りません。必要に応じて医療機関へ相談のうえ、ご自身による適切な判断と責任によって対応いただきますようお願いいたします。

2回目は2021年3月17日更新。出産当日のお話です。お楽しみに!

この記事をシェアSHARE

この記事を書いた
ライターWRITER

豆岡 ショカ

豆岡 ショカ

6歳男の子のママ。
産後うつとなり、その後精神疾患と診断。福祉系サービス、手当、支援、制度など当事者目線でお伝えしたいです。無痛分娩経験者。

キーワードKEYWORD

おすすめ記事RECOMMEND